心の温度が1℃上がる

火鉢前夜

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「もう燃え尽きたと思ってる男たち」
へのメッセージ

炭はただの燃えカスじゃない。一度、しっかり燃えたものだけが持つ、静かに熱を宿す姿だ。

炭は、燃えるものではない。
すでに燃えた者が、静かに熱を宿す姿だ。そして──そこから轟轟と燃える炎、不死鳥のようにさせるのが、俺のやりてえことなんだ。

それは、燃え尽きたあとの静けさだった。
音もなく、時も止まったように、
ただそこに“器”が在った。

けれど誰にも見えないところで──
火はまだ、生きていた。
一粒の炭の奥底で、
言葉にならない想いが燻っていた。

そこに吹いたのは、誰かの「覚悟」。
ふたたび立ち昇ったのは、
“炎ではなく、意志そのもの”だった。
やがてそれはかたちを持ち、羽根を生やし、
灰のなかから、不死鳥が立ち上がった。

「終わった」と思った瞬間から、
すべては、始まりなおす。

──火鉢薫/火鉢前夜より

「炭は、もう一度燃やされるために生まれ変わった“炎の記憶”。表には出さずとも、芯では誰より熱い──そんな男にしか出せない温度が、あるんだ。」

人は「知らないこと」より、「忘れてること」で迷子になる。

まあ、ゆっくりしていってくれ。
炭でも足しておくから。

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